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虫歯菌の感染が歯髄まで進行している状態をC3といいます。 歯髄が生きていれば、冷水痛が多くみられPulと診断、局所麻酔をして抜髄(根管治療)をします。歯髄が死んでくると、こないまであった冷水痛を認めなくなったということを多く認めます。この場合Perと診断し、歯髄自体に痛みがないので局所麻酔なしで、感染根管治療(根管治療)をします。特に感染根管で嚢胞を形成している場合は、歯槽骨の奥の方まで細菌感染していたりするので成功率はさがります、 太いコアがすでに装着されている場合、咬合力が強いなどですでに歯根破折していると根管治療が奏功せず、抜歯にいたる可能性があります。根管治療は、ファーストトリートメントでアクセスキャビティプレパレーションで上部はストレートラインアクセス(エンド三角の除去)イニシャルバインドファイルより3本以上拡大(#35以上)が重要になります。ストレートアクセスができていないのにファイルが挿入された根管治療の術後成績は悪くなります。根管治療は暗くて細くて曲がっている根管を手探りで行います(わかりやすくいえば、歯科医師の腕)できれいに洗浄し消毒します。ラバーダム防湿+デントダム エキスカでの上部感染歯質の徹底除去 カリエスが大きい場合はCRで壁を作り唾液の侵入防止 RTファイルかNi-Tiファイルで3次元的な根管形態を維持した拡大形成後 EDTA NaOClで化学洗浄します。スプラッソンで超音波洗浄もします。顕微鏡を使用したほうが結果は良いかもしれませんがAPEXを穿通できる技術がないとはっきり言って宝の持ち腐れです。根管治療後は、根尖 歯根膜に機械的刺激が加わることが多いため2〜3日痛み、噛むと痛い・ひびく・鈍痛を感じることがあります。根尖APEXは#10で穿通(ネゴシエーション), #15でグライドパス #20でルースファイリング, #25ではRTファイル Ni-Tiに変更していくと圧倒的に術後成績が高くなります。リトリートメント(2回目以上)根管治療では5年術後成績は低下します60%。だから術後予後成績が悪いのでしょう。言い換えるとまだ触っていない初めての根管治療はやり易く予後も良いことが多いです。治療当日に限り、痛みが強く出ることがあります(術前の説明がとても大切です。歯科医師が頑張って根管治療すればするほどの歯(歯根膜組織)は痛み出し、アゴがつかれ、唇が切れたりして嫌われます)。感染根管治療の場合、根管を穿通すると、術中からその夜間にかけて痛みが強く出ることが多く、台風や梅雨の季節になぜか多いです。強い痛みでも時間経過により必ず引きますので、落ち着いてボルタレンを服用または座薬で安静にしてください。診療時間中に限りますが、電話急患対応で内部を洗浄確認して再度仮封を緊密にします。外界への根管の開放は感染を広げるだけ。熱を持った腫れなど感染を伴っている場合は、ラバーダム下で排膿が止まるまで吸引後、仮封を戻し、翌日も洗浄の予約をとります。サワシリン等の抗生物質を処方しますので服用してください、感染を疑う場合は患部の冷却は免疫が下がるのでおやめください。根菅内が洗浄消毒できたら、症状は緩和してきます。信頼関係ですね。ラバーダム防湿により唾液など汚染物質を根管内にいれないように可及的に無菌的に根管充填し、ラバーダム下で連続して接着処理をしてコアを築造し再感染させないことが大切です。根管治療は歯を保存するための最終処置で、次の治療は抜歯となります。抜歯したらもう差し歯は不可能です。抜歯したらブリッジ入れ歯インプラントになっていきます。当院では根管治療の1回の予約時間を40分としっかり確保しています。仕事だからといって根管治療中の予約時間に大幅に遅刻されたり、キャンセルをなさいますと次の治療の予約をなかなか入れられなかったりします、予約システムで3回以上キャンセル変更が確認された場合反省文を提出していただきます。以後の診療はお断りいたします。根管治療の治療から補綴完了は、最低4〜5回みておいてください。あと何回で終わるものでは決してありません。できるだけ早く終わらせたいのでアゴが外れるとか言われると困ります。当院で快適な治療が行えるのは、準備を早くしてくれるアシスタントに感謝です。教育しているのは院長ですが、、、。グライドパスしている根管であるにもかかわらず、一向に不快症状が改善しない症例は見えにくいヒビ(マイクロクラック)が入っていたり、側枝湾曲 等の解剖学的に消毒しきれないことが疑われます。根管治療の専門医にご紹介することもできます。自己判断で根管治療を中断すると、根管内部で嫌気性菌が増殖し、消毒不可。むし歯が根管内部で拡大した歯根破折で抜歯に至るケースが多くありますので絶対に治療中断だけはせず紹介状をお作りしますので、大学病院等で最後まで見てもらってください。

◆治療後
1、根管治療中の歯で、物をかんだりされると、強い痛みがでたり歯の破折をおこすことがあるので注意してください。できるだけ反対側で食べるようにして下さい。30分硬化しない水硬性セメントやストッピングではなく、医療法人健口会ではグラスアイオノマーセメントというほとんどとれない仮封材を使っています。これまでに根管治療中の仮封セメントはとれたことはありませんが、もし万が一、仮封セメントが取れてしまった場合は、細菌感染するといけませんのですぐにチェックいたしますので、TELいただきますようお願いいたします。仮封セメントの充填または除去は根管内を細菌感染させないために最重要(掛け算理論)ですので、歯科医師がすべておこないます。

2、治療に局所麻酔を使用した場合には、1時間ほど飲食しないでください。
それでもまだしびれが残っている場合、飲み物がこぼれたり、唇をかんだり、特に熱いものはやけどする可能性がありますので十分に注意して下さい。

3、あまりにも強い痛み、腫れがでてきた場合は、ご連絡ください。
根管内チェック、仮封材のバイトチェック、ボルタレンサポ(座薬)を処方いたします。

◆根管治療中断患者への伝達事項
自己判断で根管治療を中断し、長期間仮封が取れたまま放置されますと、唾液とともに根菅を伝って内部に細菌感染が拡大、さらに骨膜炎、歯槽骨炎、へと感染が広がり相当腫れ、歯はむし歯が広がり破折して、抜歯に至りますので十分ご注意ください。