低ホスファターゼ症(HPP)は、遺伝性の骨疾患で国の難病に指定されています。骨レントゲン検査で骨の低石灰化、くる病様変化がみられ、血液検査で血清アルカリフォスファターゼ(ALP)値が低下するのが特徴で、組織非特異的アルカリホスファターゼ(TNSALP)をコードするALPAL遺伝子の変異により、ALP活性が低下するために発症すると考えられている。HPPは、乳歯の早期喪失(歯根がきれいに抜ける)が乳幼児健診で発見されることで早期にHPPの診断に至るケースがあります。HPPは難病で、確立された治療法はまだないようで、ALP酵素補充療法が開発されつつあるようです。HPPの予後は型により異なり、周産期ないし乳児期に発症して50%以下の生存率である重症なものから、成人において骨折リスクが高まるだけの軽症までいろいろな症例があるようです。